投稿記事の一覧

アウトリーチ

夜の街の子ども達に耳を傾けてわかったこと-小さな相談窓口ができることで広がる可能性

夜のコンビニの前や駅前・公園などでたむろしている若者たちがいたときにどんな印象を持ちますか。色んな声が聞こえてきそうですが、そのほとんどはポジティブなものではありません。しかし少し話をしてみれば、この悪い印象がイメージ先行の産物で、すごく表面的なものであることもすぐに分かります。
子どもの貧困

「日本に貧困の子どもなんて本当にいるのか?」と思っているアナタにまず知って欲しいこと-相対的貧困と絶対的貧困という2つの定義

2013年6月に「子どもの貧困対策法」が制定されて以降、「子どもの貧困」に関する話題は増えたように思います。「日本の子どもの貧困率は15.7%。約6人に1人が貧困」等といった言葉は、メディアでも頻繁に取り上げられています。「日本に貧困の子どもなんて本当にいるのか?」と思う方もいると思いますが、貧困には二種類の定義が存在します。
高校中退

2人に1人が進学も就職もしないまま卒業する―生徒数も学校数も増える通信制高校の課題と可能性(後編)

通信制高校が抱える「2人に1人が進路未決定のまま卒業する」という課題に対して取り組んでいるのが、NPO法人D×P(ディーピー)です。D×Pは、通信制高校と提携し、単位化したキャリア教育プログラム「クレッシェンド」という独自の授業を展開しています。通信制高校には課題もありますが、一方で、全日制高校のモデルにもなりうるような大きな可能性も秘めています。
初等教育

日本の子どもの体力・運動能力はどうすれば上がるのか?-30年前よりも低水準!10人に一人が肥満!

肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、大人だけの話ではありません。小児肥満やメタボは、その約70%が大人になってもその状態を継続してしまう可能性があると言われ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす予備軍にもなります。肥満度20%以上の者の割合が男子児童(11歳・小学6年生)全体の9.98%と言われており、約10人に一人が肥満状態にあります。
高校中退

2人に1人が進学も就職もしないまま卒業する―生徒数も学校数も増える通信制高校の課題と可能性(前編)

通信制高校とはどのような高校か、ご存知でしょうか?通信制高校は、毎日学校に通う全日制高校と異なり、少ない通学(スクーリング)とレポートを提出することによって高卒資格を取ることのできる高校です。興味深いのは、少子化が進んでいくにつれ、多くの全日制高校は校数も生徒数も減少しているのに対し、通信制高校は学校数及び生徒数が増加していることです。
子どもの貧困

貧困状態にあると言われる子どもたちは、何に困っているのか?-「つながり」を失った子どもたち

「子どもの貧困」が叫ばれ、国も「子どもの貧困対策法案」を国会で成立させた2013年。貧困は単純に所得の問題だけでなく、低所得になった要因としての個人要因、環境要因をしっかり読み解く必要がある複雑なものです。「貧しく」「困っている」状態である貧困は、何に困っているのかということに想像力を働かしていくことが大切だと思っています。
中等教育

大学ミスマッチは本当に防げるのか?-多様な選択肢の裏にある「選べない」人たち

「中退」や「ミスマッチ」というキーワードを出すと、「中退することはダメなことなのか?」「全ての人がマッチングするなんて、無理じゃないのか?」といった批判をされることがあります。ミスマッチが、その人のその後の人生にマイナスの影響を与えるとすれば、それは「選び方」に問題があるのではないかと思います。最も大きな違いは、その選択をしたのが、自分なのか、他人なのか、ということです。
子育て・育児

日米の文化の違いから子どもの育ちを考える-メディアが与える情報とどう向き合うべきか?

「体験教育」、その中でもプロジェクト・アドベンチャーという野外教育の派生で生まれた教育手法の理念を、自身の教育観の基盤としている筆者は、2年前から幼児教育に携わるようになり、現在はカリフォルニア州の日本人幼稚園で保育に携わっています。渡米して2ヶ月。アメリカでの体験から「子どもの育ち」について考えたことを、本記事を通してみなさんと共有したいと思います。
初等教育

全国学力テストで平均正答率ランキングよりも大切なこと-日本の子どもの現状を知る③

先日の8月下旬に平成25年度全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果(以下、全国学力テスト)が文部科学省より公表されました。学力テストが公表されると必ずといっていいほど、都道府県の平均正答率ランキングの話題が上がりますが、日本の教育を捉えるうえで重要な結果が忘れられてしまっています。そのもう一つの結果について検証していきたいと思います。
発達障害

早期療育で自閉症の症状は改善する!-謂れなき偏見や誤解が本人やその家族を悩ませる!

自閉症は、様々な遺伝的要因が絡み合っておこると考えられていますが、明確な原因は不明です。米疾病対策センターが2012年に発表したデータでは、88人に1人が自閉症であるとされ、その数は増加傾向にあります。小学校でいうと、大体2クラスに1人くらいの割合ですから、決して他人事ではないのです。自閉症の字からくるイメージは偏見や誤解となって、未だ本人やそのご家族を悩ませています。