悩み相談

対応が追いついていない。子どものSOS相談ダイヤルの現状-「24時間子供SOSダイヤル」全国実態調査(速報)レポート

認定NPO法人3keysは「24時間子供SOSダイヤル」に対する全国アンケート調査を行い、速報値を2021年2月26日に公表しました。本ダイヤルは利用率が高い相談窓口ですが、対象ではないと対応されてしまうケースなどが一部発生していることがわかり、その実態を調査するべく実施されたものです。速報版の要点をピックアップしてお伝えします。

子どものSOS相談ダイヤル

認定NPO法人3keys(以下、3keys)は、年間で約4万件の相談がある「24時間子供SOSダイヤル」に対する全国アンケート調査を行い、その速報値を2021年2月26日に公表しました。

3keysは10代向けの相談・支援サービス検索サイト「Mex(ミークス)」を運営しており、子どもが利用できる全国の官民の相談窓口や支援機関を紹介しています。

「24時間子供SOSダイヤル」(以下、SOSダイヤル)は、「0120-0-78310」の統一ダイヤルに電話をかけると、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続されるというものです。メディアでもよく紹介され、特に利用率の高い相談窓口です。

24時間子供SOSダイヤル

一方で、子どもたちより届いた声から、電話をかけたのに対象ではないと対応されてしまうなどのケースが一部で発生していることがわかり、3keysが2020年11月~2021年1月の約2か月間にわたり、全国アンケート調査を行いました。

本調査は、SOSダイヤルをより多くの子どもが安心して利用できることを目指して行われたものです。本記事では、本調査の速報版の要点をピックアップしてお伝えしたいと思います。

相談の対象としている学年・年齢

SOSダイヤルは、利用の対象を「いじめ問題やその他の子供のSOS全般に悩む子どもや保護者等」としていますが、実態はどうなっているのでしょうか。

在学中の小中学生に対して「対応している」割合は96%ですが、不登校の小学生では94%、中学生では92%と、不登校になると対応している割合が下がっています。

高校生に対して「対応している」割合は、在学中は92%、不登校の場合は91%、中途退学の場合は74%と、小中学生よりも対応している割合がさらに下がります。

また、特別支援学校等については、在学中は94%ですが、不登校の場合は91%、中途退学の場合は74%と、傾向としては高校生と同様でした。

「24時間子供SOSダイヤル」全国実態調査(速報)レポート

在住・在学に関わらず相談できる教育委員会等は約半数

「子供たちが全国どこからでも」をコンセプトにしているSOSダイヤルですが、調査結果によると実態と乖離している部分もあるようです。

対象エリアに在住もしくは在学している子どもすべてを相談の対象としている教育委員会等は47.2%ですが、在住者のみを対象としているの割合は24.5%、在学者のみを対象としている割合は18.9%でした。

合わせると43.4%の教育委員会が、対象エリア内で在住者または在学者のどちらかのみを対象としていることになります。

例を挙げると「うちは在住者(在学者)のみを対象としているので、在学(在住)している方は対象となりません」と断られてしまうケースが約2件に1件程度発生してしまう、ということになります。

「24時間子供SOSダイヤル」全国実態調査(速報)レポート

相談できる内容によって対応していないケースも

SOSダイヤルのコンセプト内に「いじめ問題やその他の子供のSOS全般に悩む」という文言がありますが、対応可能な悩みの範囲について、各教育委員会等によって若干バラツキがあることがわかりました。

例えば、学校内のいじめには対応しているけれども、学校外のいじめには対応していないケース、妊娠にまつわる相談、性的マイノリティ、鬱などの心身の不調、犯罪被害/非行には対応していないケースなどがあることもわかっています。

「24時間子供SOSダイヤル」全国実態調査(速報)レポート

教育委員会等によって異なる電話後の対応

電話を受けた後の対応についても、相談の内容によって、または教育委員会等によって違いがあるようです。

直接的な解決に向けた動きを取る機関もあれば、間接的な解決に向けて動きを取る機関(相談者に他機関への相談を促す、他機関を紹介するなど)、直接的・間接的な解決に向けて動きを取らない機関もあるなど、バラツキがありました。

「24時間子供SOSダイヤル」全国実態調査(速報)レポート

希望を求めて電話をかけてくる子どものために

「24時間子供SOSダイヤル」という名前を子どもたちが聞けば、「いつでも」「誰でも」「どんなSOSでも」対応してもらえるという認識をもつと思います。それはSOSを発したいと思っている子どもたちにとっては、きっと救いの手です。

それがもし電話をかけて「対応できない」と言われてしまったら、その子はもう二度とSOSを発したいと思わなくなってしまうかもしれません。それはあってはならないことだと思います。

24時間抜け目のない対応をすることは簡単なことではありませんが、希望を求めて電話をかけてくる子どものために、本調査をきっかけに、SOSダイヤルの現状や実態に合った形でのメディアでの報道、各教育委員会等での運営体制の整備等が進められることを願います。

Author:Eduwell Journal 編集部
本記事は、山田友紀子が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報をご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。

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