土曜日に「チャイム」を鳴らさせてはいけない
1992年、学校教育を月に1日の土曜日を休みと決め、その後、学校教育の時間をゆっくりと減らし、21世紀を迎えた2002年に学校教育を週5日としました。これは”地域社会での学習2日制度の始まり”であり、地域の教育力・社会教育の力に期待し、私たちの社会は世界先進諸国とともに学校教育中心主義から、「生涯学習」を基本理念とした社会へと再構成することを決めたのです。
これによって多くの子どもは「チャイム」から解放され、自分の好きな学びに時間を使えるようになり、自分の学びたいことを学ぶことができるようになりました。地域教育2日制度スタートから12年、多くのサッカー少年の中から世界トップレベルの選手が生まれ、最近報道されたように、日本の若者たちは世界最高のクラシックバレーコンテストで上位を占める社会を作り出し、ソチオリンピックの10代の金メダリストのしっかりした受け答えが話題となり、2003年に小学校へ入学した世代がOECDの学力調査でも過去最高の成果を収めるようになりました。
しかし、「子どもたちの学力が低下している」という根拠もない情緒的な批判から「公立学校も土曜日に授業をやるべきだ」との声が強くなり、世界の流れに逆行して学校教育中心主義が復活しようとしています。確かに「多くの子どもたちは土曜日に『空白の時間』を過ごしている」という批判はそのとおりで、これは日本の社会教育の怠慢に向けられたものであり、土曜日の学校教育復活は社会教育の敗北なのです。
全国に「土曜楽校」を作ろう!
こうした土曜日の学校教育復活を傍観しているのでは、日本の社会教育関係のNPOや日本の社会教育の中核である公民館はその存在価値を問い直さなくてはなりません。そして、学校教育中心主義をまだ捨てられず、生涯学習の理念を理解できない学校教育関係者は21世紀の教育者としてその資質が問われます。
今回の全国会議は日本の社会教育を担う者が土曜日の教育活動をともに作り出すための集まりです。今こそ全国の社会教育を担う人々、学校教育関係者がその力を結集し、具体的な資金の問題や活動の進め方について話し合い、土曜日・放課後における社会教育活動を再度創り出したいと思います。
◆イベント概要◆
日時:5月12日(月) 13時開場・13時30分~16時30分
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター・センター棟304室
交通機関:小田急線参宮橋駅下車徒歩約7分・千代田線代々木公園駅下車徒歩約10分
参加費: 無料
定員: 80名
主催:特定非営利活動法人教育支援協会
◆お申込み方法◆
この会議に参加を希望される方は、必ず事前にお電話又はFAX(氏名、連絡先明記)メールにて教育支援協会横浜事務局(下記参照)までご予約ください。定員になり次第締め切らせていただきます。
教育支援協会横浜事務局
TEL:045-243-6840
FAX:045-243-6841
E-mail: super-k12@mua.biglobe.ne.jp
◆会議プログラム◆
13:00 受付開始
13:30 開会
あいさつ 吉田博彦(教育支援協会代表理事)
参加者の自己紹介
基調報告「土曜日になぜチャイムを鳴らしてはいけないのか」
寺脇研(京都造形芸術大学教授)
全体協議「土曜楽校・放課後にどんな活動を作り出すか」
事例提案・放課後アフタースクールの取り組み
平岩国泰(放課後NPOアフタースクール代表理事)
提案:「土曜楽校・放課後の資金をどうするか」
参加者からの発言
会に参加された皆さんに壇上に上がっていただいて、自分の取り組みや考え方、活動の課題や状況などを自由に発言していただきます。
コーディネーター 吉田博彦(教育支援協会代表理事)
16:00 終了
提案:資金申請方法の説明
土曜楽校・放課後の資金の申請方法などの説明
17:00~19:00 懇親会
本記事は、岩切準が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報を毎月ご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。