オルタナティブ教育

多様な教育の博覧会「エデュコレ」に行ってみた!-従来の枠組みにとらわれない新しい教育が一堂に会する

多様な教育の博覧会「エデュコレ」

従来の枠組みにとらわれず、新しい教育に取り組む動きが日本各地で増えています。そんな各地での取り組みが一堂に会するイベント・多様な教育の博覧会「エデュコレ」が11月12日に大阪・11月26日に東京で開催されました。

本イベントは、大阪を拠点に活動している一般社団法人コアプラスが2009年より主催し、5回目の開催となります。今回、初めて東京でも開催されることになり、早速、編集部がお伺いしました。イベント当日の様子をお伝えします。

楽しいポイントが盛りだくさんの「エデュコレ」

東京は、東洋大学白山キャンパスが会場となりました。「エデュコレ」では、主に2つの楽しみ方が出来ます。一つは、一日を通じて行われている団体ブースへの訪問、もう一つは、時間帯ごとに行われているトークセッション等の催し物への参加です。来場者は、自由に出入りをすることができます。

多様な教育の博覧会「エデュコレ」

東京会場には、36の団体がブースを出展していました。大きくは4つのカテゴリに分かれており、それぞれの部屋がありました。(エリアA:フリースクール・オルタナティブ教育、エリアB:学校教育系、エリアC:地域の居場所・学び場系、エリアD:教育プログラム・おとなの学び系)ホームページやパンフレットを読んで、気になる団体のブースへ訪問し、直接スタッフの方から話を伺うことができます。

「どこへ行ったら良いかわからない」という方向けに、グループでブースを巡るツアーも用意されていたり、「おしゃべり交流カフェ」というキッカケづくりの場も設けられており、気軽に楽しむことができる仕掛けが随所に見られました。

子ども連れには、嬉しいキッズスペースも設置され、子どもたちが遊べるような道具や材料も用意されていました。「非交流カフェ」という場所があり、ネーミングがユニークで驚きましたが、疲れた時の休憩やじっくり考え事をしたい時に使えるスペースとして設置されていました。

どのような方が来場されているのか聞いてみると、教育などの子どもに関わる仕事やボランティアに携わられている方、これからやってみたいと思っている方などが多く参加されていました。

保護者が子どもと一緒に、興味のあるフリースクールや学校を探し、詳細を聞いている姿も見られました。実際に通っている子ども自身が、ブースで来場者を対応し、率直に楽しいと思う点や大変な点などを伝えているブースもありました。色々な質問に対して、自信を持って答えている子どもの姿がとても印象的でした。

多様な教育の博覧会「エデュコレ」(出展団体ごとに趣向を凝らしたブースになっており、気軽にお話を伺えました)

熱量が凄かった「ロールモデルトーク」

「ロールモデルトーク」というセッションに参加しました。

各ブースもたくさんの来場者の方々で賑わっていましたが、この場の熱量はそれ以上に凄いものでした。「ロールモデルトーク」では、最前線で様々な取り組みにチャレンジされている25人のゲストが集まり、話を聞きたい方の所をまわっていくというものです。1ターン20分前後で、3ターンあり、それぞれのターンで別のゲストの話を聞くことができます。

出展団体の方以外にも、ビリギャルの小林さやかさん、現役の公立小学校教員など、かなり幅広い方々がゲストとしてお話をされていました。一人ひとりがメインで講演されても良い方々が25人も集まり、さらにそこから学ぼうという意欲的な参加者が大勢参加していたので、会場内のエネルギーは、物凄いことになっていました。

ブースへの訪問は、「団体」に対する興味関心がきっかけとなりますが、「ロールモデルトーク」は、そこで活躍する「人」に対する興味関心がきっかけとなっており、来場者は、異なる切り口から自分の教育観を見つめ直す、一つのきっかけになったと思います。

多様な教育の博覧会「エデュコレ」(ゲストと参加者が活発にコミュニケーションし、大いに盛り上がっていました)

改めて自分の教育のあり方を見つめ直す

残念ながら全てのブースや関係者の皆様からお話を伺うこと出来ませんでしたが、参加していた団体や人によって、対象としている年齢層やアプローチの方法などは異なり、それぞれに魅力的な特徴がありました。

関西でフリースクールのスタッフをされている方がわざわざ東京会場まで足を運び、「私はこう思うんですよ」とブースで意見交換をされ、「うーん、そういうのもあるかもしれないですね」と気持ちが揺れ動く姿を見ることがありました。

どんな子どもにも通用する万能薬のような教育というものは、これまでもこれから先も難しいことなのだと思います。しかしながら、子どもの成長を支えていく教育だからこそ、「こんなもんだよね」「しょうがないね」という姿勢ではなく、時に「本当にこれで良いのか?」「もっと良い方法はないのか?」という探究する姿勢が重要なのだと思います。

「教育のあり方」=「自分の受けてきた教育」となりがちですが、「エデュコレ」のような機会を通じて、改めて自分の教育のあり方を見つめ直すことは、教育に携わる者にとって、非常に重要な機会となると思います。今回は足を運べなかった方も、ぜひ、次回は参加してみてはいかがでしょうか?

Author:Eduwell Journal 編集部
本記事は、岩切準が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報を毎月ご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。

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