就職・就労

ニートやフリーター、ブランクのある若者の就職活動対策-20代・30代の壁!正社員を目指してまずやるべきこと

就職活動の面接

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若者の就職支援の現場では、ニートから脱して仕事に就きたい、そろそろフリーターをやめて正社員になって働きたい、以前の仕事を辞めてから数年のブランクがあるけどまた働きはじめたいなど、就職に関する様々な悩みを聞きます。

これまでの記事でも参考となる情報をご紹介してきました。

今回は、年齢による若者の就職活動の壁、ニートやフリーター、ブランクのある20代・30代の就職活動について考えます。

若者の就職活動には、「29歳の壁」・「34歳の壁」がある

ニートやフリーター、ブランクのある状態から正社員になりたいと考えた時に一番重要なのは、「思い立ったが吉日」でできる限り早く就職活動をはじめることです。

厳しい現実ですが、40代よりも30代、30代よりも20代で年齢が若い方が圧倒的に求人数や就職支援などの機会が多くあります。これは、企業側の採用ニーズに比例しており、学歴や就業経験と同等かそれ以上に年齢は、重要な条件としてみられています。

若年者の就職には、「29歳の壁」、「34歳の壁」の2つの年齢の壁があります。

行政機関や民間企業・NPOなどで行っている就職支援のサイトや窓口を見てみると、「29歳までの方」、「34歳までの方」という表記が多く見かけられます。実際に、ハローワークや就職サイトを見てみると、その年齢で求人数が大幅に減ったり、求人内容の条件が厳しくなったり、条件付きの雇用が多くなったりします。

一般的に採用は、「年齢」と「経験」(資格や実績など)の2つが大きな条件になってきます。企業は、若年者に対して「経験」をそもそも期待して採用していないので、「年齢」という部分がどうしても大きくなります。年齢が上がってくるにつれて、段々と「経験」が求められるようになってきます。

29歳までは20代という枠組みの中で、新卒や第二新卒、ポテンシャル採用というような形で未経験者でも積極的に採用している企業が見られます。30代に入ってくると、「経験」が重要視される「転職市場」を中心に採用している企業が多くなります。

年齢が雇用に関係する理由

「なぜ、年齢が雇用に大きく関係しているのか?」というと理由は複数ありますが、一番は給与に関する理由が大きいと思います。

多くの企業では、給与が「年齢」「経験」「勤続年数」に比例して決まってきます。若年者はどれも少ないので、企業は「年齢」「経験」「勤続年数」を重ねてくるうちに育てて、給与相応の働きができるように成長してくれることを期待しています。30代、40代と「年齢」が上がってくると必然的に採用時点での給与も高くなり、それに応じた「経験」のある人でないと採用できなくなってしまうのです。

近年、ニートやフリーター、ブランクのある状態にある若者の就職を支援する行政機関や民間企業・NPOなどは確実に増えています。以前の記事でもお伝えした通り、すぐに「ハローワーク」ではなく、就職支援の専門家にパートナーとなってもらい、アドバイスを受けながら一緒に就職活動していくことをオススメしています。20代であれば、いくつもサポートしてもらえる機会も多くありますので、すぐにでも利用するべきかと思います。

30代を超えても利用できる支援があれば積極的に活用した方が良いです。20代での就業経験がなかったり、長期のブランク期間がある方ほど、応募書類や面接対策に力を入れる必要があり、個人の力だけで就職することはなかなか難しくなってきますので、専門家のアドバイスは不可欠だと思います。

履歴書

ニートやフリーター、ブランクのある30代の就職活動の3つのポイント

就業経験のないニートやフリーター、前職を退職してからブランクのある30代が就職活動する際に、留意しておくと良い点があります。

一つ目は、人手が不足している業界を選ぶことです。人手が十分か不足しているかは、求人倍率からわかります。業界によって、求人倍率は全く違います。ここで注意が必要なのは、「転職」の求人倍率をチェックしがちですが、主に「経験」のある方に対する求人が多いので、「新卒」の求人倍率なども参考にすると良いと思います。

今で言えば、ITや福祉、建設、流通などは、慢性的な人手不足になっています。単に不足しているから受かりやすいと言いたいわけではありません。人手が十分な業界は「すでに経験・実力のある人を採ればよい」という感覚ですが、人手が不足している業界ほど、「なんとか人材を育てなければ」という意識が高いのです。

未経験者を育てる仕組みを持っている企業でなければ、成長していくことができない業界だとも言えます。また、人手が不足しているということは、それだけ仕事が多く、これから成長する可能性が高い業界でもあり、採用される可能性は高くなります。

二つ目は、「経験」を補足することです。「経験」そのものは埋められないのですが、資格を取得したり、職業訓練を受けることで、補足することはできます。ニートやフリーター、ブランクのある状態が長期化していると、企業側すると「採用して本当に働けるのか?」と思うのはごく自然なことだと思います。

資格や職業訓練(厚生労働省:職業訓練)などを受けておくことで、就職に向けての準備や努力ができる人材であることを証明することできます。一つ目とかけあわせて考えると、人手の少ない業界で資格を持っていたり、職業訓練を受けていたりすると評価は全く違います。資格を持っていないと出来ない仕事に関しては、わざわざ会社が資格を取得させる時間や費用の負担をしなくても済むので歓迎されます。

新人研修

三つ目は、いきなり正社員ではなく、まずは正社員につながる会社で働きはじめることです。30代を超えて、就業経験がなく、ニートやフリーター、ブランクのある状態からすぐに正社員になれる可能性は、極めて低いと思います。その可能性の低いところを目指し続けて時間が経ってしまうのは、とてももったいないことです。

できるだけ早く就業経験を積み始めることを優先すべきだと考えます。企業側にとって、いきなり正社員として雇用をすることはとても大きなハードルとなります。万が一、ミスマッチだった時に育成にかけた時間や費用の損失を被るからです。

契約社員のような非正規雇用の形態から就業することは、雇用される側にとっても企業を見極められる機会となるので良いと思います。いきなり見ず知らずの人と結婚するよりも、一定期間の交際をして相手のことをよく知ってから結婚する方が、ミスマッチのリスクが低いのと同じです。

万が一、ミスマッチで雇用期間を終了したとしても、その期間で身につけた知識や技術、就業経験は失われません。働いていた会社での契約更新はしなかったが、別の会社で正社員と採用されたというケースもあります。

ここで注意しておく必要があるのは、正社員として雇用される可能性が低い仕事か、高い仕事かをきちんと事前に見極めておく必要があります。就職の専門家を交えて判断した方が確実ですが、その企業が以前にどの程度、同じ枠組みで採用した人を正社員として登用しているか、また、正社員へ登用される基準などが明らかになっているとより良いです。

各人材紹介・派遣会社が行っている「紹介予定派遣」(紹介予定派遣は平成16年に労働者派遣法により改正されたルールの一つです。派遣先に直雇用されることを事前に合意したうえで、一定期間派遣社員として勤務します。そこで設定された派遣就業期間中に自分に合った仕事なのか見極めることができるシステムです。)などの制度を利用して働きはじめることも良いと思います。

フリーターやニートで正社員としての働いた経験のない方、仕事を辞めてブランクがあった方などを対象に、無料でキャリアカウンセリングや就職活動に必要なことが学べるセミナーを受けられ、正社員としての就職を支援してくれる公的機関や民間企業を下記にご紹介します。(随時更新)

行政・自治体が行っている若者の就職支援(無料)

若者サポートステーション

地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し、キャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への職場体験などにより、就労に向けた支援を行っています。

サポステは、厚生労働省が認定した全国の若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人、株式会社などが実施しています。現在、住んでいる場所からお近くのサポステを訪ねてみてください。

ジョブカフェ(若年者のためのワンストップサービスセンター)

若者が自分に合った仕事を見つけるためのいろいろなサービスを1か所で、もちろんすべて無料で受けられる場所です。現在、46の都道府県が設置しています。ハローワークを併設しているジョブカフェもあります。

ジョブカフェの多くは県庁所在地にありますが、地域によってはサテライトという出張所を作ってサービスを行っているところもあります。現在、住んでいる場所からお近くのジョブカフェを訪ねてみてください。

各自治体の就職支援プログラム

都道府県や市区町村などでは、独自の若者の就職支援プログラムを行っている場合があります。下記は、実施している一部の例ですが、「現在住んでいる都道府県や市区町村名」+「若者就労支援」又は「若者就職支援」で検索してみると、条件にあったプログラムを行っている場合があります。

東京都:東京しごとセンターヤングコーナー
自分に合う仕事がわからない、就職や転職したい会社が見つからない、就活の仕方がわからない。そんな課題を抱えている、29歳以下の学生や若者を就職支援アドバイザーが就職するまで担当制で全面的にサポートします。

東京都:正社員就職応援プロジェクト
都内で就職したい30~54歳の就職・転職を無料でサポートしています。専任の就職支援アドバイザーのサポートを受けられ、就活のレベルや目的に合わせた様々なプログラムを選ぶことができます。就活支援金支給制度や短期間のスキルアッププログラムなど、豊富なプログラムで就職活動を支援しています。

東京都世田谷区:世田谷で働こう!若年者就職応援プログラム
世田谷区内企業で働きたい40歳未満の方を対象に、研修、面接会、企業見学、現場見学、仕事体験などを行い、建設業をはじめ世田谷区の基準を満たした企業への就職を応援する事業です。大学4年生や転職希望者も歓迎です。

民間企業が行っている就職支援(無料)

第二新卒エージェントneo

主な対応エリア:東京・大阪・名古屋・福岡
対象年齢:18歳~28歳まで

経験・学歴不問でフリーター、中卒、高卒、大学中退、大学卒業後(既卒)、海外留学から帰国後、就職浪人、公務員試験からの民間企業就職への切り替え、短期離職、第二新卒(就業後3年以内の離職)、中途、キャリアアップの転職など幅広い経歴の方を、豊富な経験を持つのキャリアアドバイザーが1人あたり平均10時間の手厚いサポート。一人ひとりに合わせた書類添削や面接対策も受けられます。

ブラック企業を除外、優良企業のみの紹介で安心して就職活動を行うことができ、内定後はもちろん、入社後もサポートも受けられます。

ハタラクティブ

主な対応エリア:北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、九州
対象年齢:18歳~29歳まで

既卒・フリーター・第二新卒を対象に、無料で就職支援を行っています。高卒・専門学校卒、大学中退も多数の就職実績があります。これまでたくさんの就職・転職に携わってきたプロのコンサルタントが正社員になるまでマンツーマンでしっかりとサポートしてくれます。

渋谷、立川、池袋、秋葉原、横浜、さいたま、名古屋、大阪、福岡で対面の個別相談を行っています。地方在住で首都圏への就職を希望する方は、事前に電話でのカウンセリングや面接対策を受けられ、効率的な就職活動が可能です。

「完全に未経験でも正社員として就職できる求人」をメインに取り扱っており、社会人未経験の方に向けた「未経験歓迎」の求人が常時1,000件以上あり、IT、広告・マスコミ、メーカー、建築・不動産、流通など取り扱っている業種も幅広いです。

ウズキャリ既卒

主な対応エリア:関東、東海、関西、九州など
対象年齢:18歳~29歳まで

ウズキャリ既卒で就職活動を行った既卒・フリーターの方の83%以上が1社以上の内定を獲得しています。選考企業毎にカスタマイズされた書類・面接対策など、一人一人に合わせたオーダーメイド型の平均20時間に及ぶ就活サポートが特徴です。

日本で唯一キャリアカウンセラー全員が元既卒・第二新卒で、同じ経験をしているからこそ、失敗をしない就職活動をするためのノウハウを伺えます。離職率/労働時間/社会保険の有無/雇用形態などで厳しい基準を設けて、ブラック企業を徹底排除し、入社後の定着率も93%ととても高いです。

いい就職ドットコム

主な対応エリア:全国
対象年齢:20代

20万人が利用する国内最大級の第二新卒・新卒・既卒未就職者・留学帰国者の就職応援サイトです。社会人未経験の既卒者に特化した就職支援を行っています。「未経験者をしっかりと育てていこう」という姿勢を持った企業のみを紹介し、正社員のみの就職紹介に限定しています。

無料会員登録で就職アドバイザーによるカウンセリングが受けられたり、「就職プラザ」で開催される様々な就職支援メニューも受講できます。

学歴や就労経験に関わらず本人に就職へ向けた意欲がある限り支援してくれる公的機関や民間企業は必ずあります。良き専門家・パートナーの協力を得て、自分自身の目標を明確にして、希望する進路へと進めることを心より願っています。

ハローワークでは、ニートやフリーターが就職できない理由-職歴なしの第二新卒・既卒から正社員になる就職活動
「ニートやフリーターから正社員として就職したい」「職歴なしの第二新卒・既卒から正社員の就職を目指したい」「また正社員として働きたい」と思った時、まず思い浮かぶのがハローワークではないでしょうか?しかしちょっと待ってください。ハローワークより先に、行くべき場所があります。様々な理由で働くことにつまづいた若者の就職支援に取り組んできた経験から参考となる情報をお伝えします。
ニートやフリーター、第二新卒・既卒から正社員を目指す就職対策-就職相談の活用方法と業種・職種に対する考え方
雇用形態が多様化し、今や正社員ではなくアルバイトや非正規で働いている人は少なくありません。中にはそのまま雇用が打ち切られ、ニートとなってしまう人も…。「就職できればなんでもいい」。焦りから来るその考えが、逆に就職活動の足を引っ張ってしまっているのかもしれません。就職支援を受ける上でのポイントや考え方などをお伝えします。
ニートやフリーター、第二新卒・既卒から正社員になれる就職支援-学歴や職歴、未経験がハンデにならない就職活動
非正規雇用で働いている方や、前職を辞めてからブランクが空いてしまった方は、「正社員になりたい」という思いを持ちつつも、実際どのように就職活動を進めていけばいいかわからない、というのが本音です。現在、正社員の有効求人倍率は1.02倍となり、労働市場は「超」売り手市場と言われています。就職支援を実施している公共施設やサービスなどを、具体的にご紹介していきます。
Author:Eduwell Journal 編集部
本記事は、岩切準が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報を毎月ご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。
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