「ニートやフリーターから正社員として就職したい」「職歴なしの第二新卒・既卒から正社員の就職を目指したい」「仕事を辞めてからブランクがあるけど、また正社員として働きたい」と思った時、まず思い浮かぶのがハローワークではないでしょうか?ちょっと待って!ハローワークに行くよりもまず先に行くべき場所があります。
「どのように就職活動をしたら良いかわからない」という若者のために、様々な理由で働くことにつまづいた若者の就職支援に取り組んできた経験から参考となる情報をお伝えします。手当たり次第に就職活動を行うよりも、効率的で充実した就職活動へつながると思います。
「とりあえず、ハローワーク!」は失敗しやすい!?
いわゆる就職活動というと、主に「新卒採用」「中途採用」の2つの窓口が企業側のホームページであれ、様々な就職支援サイトにあると思います。
「新卒採用」は、これから大学を卒業して就職する学生向けであり、「中途採用」は主にすでに正社員として働いている人を対象としています。
中卒、高卒、専門卒者、高校・大学中退者、第二新卒者・大学既卒者で正社員として雇用された経験のない方や、何らかの事情で何年かのブランクがあった方からすると、どこに窓口があるか分からずに二の足を踏んでいる方も少なくないと思います。
多くの方は、「とりあえず、ハローワークへ行こう!」と考えると思いますが、私はあまりオススメしません。もちろん、失業保険などの諸手続きを行う方は、ハローワーク(公共職業安定所)へ行く必要があります。しかし、ハローワークは、主に企業からの求人情報を紹介・手続きする場所であり、仕事に関する適性を判断したり、就職活動に関する様々なアドバイスやトレーニングを受けられる場ではありません。
自分で仕事に対するイメージや具体的な労働条件が明確になっていれば、自分の希望に合った応募先を見つけ出すことはできるかもしれませんが、まだはっきりとしていない中で数多くある求人情報から自分に適した情報を見つけ出すのはとても難しいことです。ハローワークは、主に就労経験があって、業界や仕事内容などについて、ある程度の理解がある方を対象としている場所だと言えます。
ハローワークへ寄せられている求人情報を精査せずに、かたっぱしから応募しても、多くの不合格を経験するだけで、精神的にもダメージが積み重なるだけです。何のアドバイスも受けることなく、孤独に選考を受け続けても「何が悪かったのか?」ということもわからず、自分を否定されているようにも感じ、就職活動を辞めたくなるのも無理はありません。就職を支援してくれるのは、ハローワーク以外にも数多くあります。
まず就職支援の専門家・パートナーを見つけよう!
就職活動には専門的な知識や技術をもった方からのサポートを受けることが、まず第一だと思います。特に、学歴や就労経験の面で就職に苦労されている方や何らかの事情でブランクがある方こそ、専門家の支援を受けるべきです。そういう方のために、専門家のサポートがあると考えて良いと思います。
履歴書や自己PRなどで、苦慮されている方も就職活動に関する様々な相談できる専門家・パートナーがいることで、ずっと負担が軽減できるはずです。就職活動でのつまづきを客観的な視点でフィードバックしてくれる存在は、就職活動をより円滑に進めていくうえで重要です。
就職活動が上手くいかない理由は、一人ひとり違い、それに対するアドバイスも十人十色だと思います。目指す分野によっては、先に職業訓練が必要になる場合もあります。急がば回れと考え、専門家のカウンセリングを受け、自分に合ったステップへ進んでいきましょう。
ニートやフリーターで正社員としての働いた経験のない方、仕事を辞めてブランクがあった方などを対象に、無料でキャリアカウンセリングや就職活動に必要なことが学べるセミナーを受けられ、正社員としての就職を支援してくれる公的機関や民間企業を下記にご紹介します。(随時更新)複数の支援に応募してみて、自分に合ったものを活用していくと良いと思います。
行政・自治体が行っている若者の就職支援(無料)
若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し、キャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への職場体験などにより、就労に向けた支援を行っています。
サポステは、厚生労働省が認定した全国の若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人、株式会社などが実施しています。現在、住んでいる場所からお近くのサポステを訪ねてみてください。
ジョブカフェ(若年者のためのワンストップサービスセンター)
若者が自分に合った仕事を見つけるためのいろいろなサービスを1か所で、もちろんすべて無料で受けられる場所です。現在、46の都道府県が設置しています。ハローワークを併設しているジョブカフェもあります。
ジョブカフェの多くは県庁所在地にありますが、地域によってはサテライトという出張所を作ってサービスを行っているところもあります。現在、住んでいる場所からお近くのジョブカフェを訪ねてみてください。
各自治体の就職支援プログラム
都道府県や市区町村などでは、独自の若者の就職支援プログラムを行っている場合があります。下記は、実施している一部の例ですが、「現在住んでいる都道府県や市区町村名」+「若者就労支援」又は「若者就職支援」で検索してみると、条件にあったプログラムを行っている場合があります。
東京都:東京しごとセンターヤングコーナー
自分に合う仕事がわからない、就職や転職したい会社が見つからない、就活の仕方がわからない。そんな課題を抱えている、29歳以下の学生や若者を就職支援アドバイザーが就職するまで担当制で全面的にサポートします。
東京都:正社員就職応援プロジェクト
都内で就職したい30~54歳の就職・転職を無料でサポートしています。専任の就職支援アドバイザーのサポートを受けられ、就活のレベルや目的に合わせた様々なプログラムを選ぶことができます。就活支援金支給制度や短期間のスキルアッププログラムなど、豊富なプログラムで就職活動を支援しています。
東京都世田谷区:世田谷で働こう!若年者就職応援プログラム
世田谷区内企業で働きたい40歳未満の方を対象に、研修、面接会、企業見学、現場見学、仕事体験などを行い、建設業をはじめ世田谷区の基準を満たした企業への就職を応援する事業です。大学4年生や転職希望者も歓迎です。
民間企業が行っている就職支援(無料)
第二新卒エージェントneo
主な対応エリア:東京・大阪・名古屋・福岡
対象年齢:18歳~28歳まで
経験・学歴不問でフリーター、中卒、高卒、大学中退、大学卒業後(既卒)、海外留学から帰国後、就職浪人、公務員試験からの民間企業就職への切り替え、短期離職、第二新卒(就業後3年以内の離職)、中途、キャリアアップの転職など幅広い経歴の方を、豊富な経験を持つのキャリアアドバイザーが1人あたり平均10時間の手厚いサポート。一人ひとりに合わせた書類添削や面接対策も受けられます。
ブラック企業を除外、優良企業のみの紹介で安心して就職活動を行うことができ、内定後はもちろん、入社後もサポートも受けられます。
ハタラクティブ
主な対応エリア:北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、九州
対象年齢:18歳~29歳まで
既卒・フリーター・第二新卒を対象に、無料で就職支援を行っています。高卒・専門学校卒、大学中退も多数の就職実績があります。これまでたくさんの就職・転職に携わってきたプロのコンサルタントが正社員になるまでマンツーマンでしっかりとサポートしてくれます。
渋谷、立川、池袋、秋葉原、横浜、さいたま、名古屋、大阪、福岡で対面の個別相談を行っています。地方在住で首都圏への就職を希望する方は、事前に電話でのカウンセリングや面接対策を受けられ、効率的な就職活動が可能です。
「完全に未経験でも正社員として就職できる求人」をメインに取り扱っており、社会人未経験の方に向けた「未経験歓迎」の求人が常時1,000件以上あり、IT、広告・マスコミ、メーカー、建築・不動産、流通など取り扱っている業種も幅広いです。
ウズキャリ既卒
主な対応エリア:関東、東海、関西、九州など
対象年齢:18歳~29歳まで
ウズキャリ既卒で就職活動を行った既卒・フリーターの方の83%以上が1社以上の内定を獲得しています。選考企業毎にカスタマイズされた書類・面接対策など、一人一人に合わせたオーダーメイド型の平均20時間に及ぶ就活サポートが特徴です。
日本で唯一キャリアカウンセラー全員が元既卒・第二新卒で、同じ経験をしているからこそ、失敗をしない就職活動をするためのノウハウを伺えます。離職率/労働時間/社会保険の有無/雇用形態などで厳しい基準を設けて、ブラック企業を徹底排除し、入社後の定着率も93%ととても高いです。
いい就職ドットコム
主な対応エリア:全国
対象年齢:20代
20万人が利用する国内最大級の第二新卒・新卒・既卒未就職者・留学帰国者の就職応援サイトです。社会人未経験の既卒者に特化した就職支援を行っています。「未経験者をしっかりと育てていこう」という姿勢を持った企業のみを紹介し、正社員のみの就職紹介に限定しています。
無料会員登録で就職アドバイザーによるカウンセリングが受けられたり、「就職プラザ」で開催される様々な就職支援メニューも受講できます。
学歴や就労経験に関わらず本人に就職へ向けた意欲がある限り支援してくれる公的機関や民間企業は必ずあります。良き専門家・パートナーの協力を得て、自分自身の目標を明確にして、希望する進路へと進めることを心より願っています。
本記事は、岩切準が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報を毎月ご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。